目潰し悪魔

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『DEMON-PUTTING OUT HIS EYES-』
クライヴ・バーカーによるデザインのガレージキット、DEMON-PUTTING OUT HIS EYESです。

SIDESHOWから発売されたソフビキットで足パーツのみレジンキャスト製。

マット・フォールズ氏による原型製作で1997年に発売されました。

1/5スケールで、台座込みで全高は約27cm。

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2013 3/10 追記

趣味として2010年にキットの組み立て・表面処理を始め、2011年に塗装、完成させたこのキットなのですが、
自分なりに製作や塗装記事を纏めておく事としました。
ブログ開設当初に書こうと思っていましたがかなり時間が経ってしまっています。
当時の塗り方ですので今現在の自分の進め方とは少し異なる部分もありますし、振り返ってみると効率が悪い
やり方も目立ちます。
パソコンに残っていた製作途中画像も少なく、うまく説明出来てはいないでしょうが興味のある方は最後まで
お付き合いいただければ幸いです。


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インストでも確認できますがこのキット、総パーツ数は決して多くはありません。
ただ、組みやすいキットかと問われると…塗装作業に持っていくまでの処理、工程は結構大変なキットでした。

両足先のみ、一体化されたレジンキャストパーツなのですが収縮率の関係か、ソフビ製の脚部分とは
全くと言っていい程に組み合わないので、レジン部分を切断したり新規で造形し直してして辻褄を合せました。
正直、足だけがソフビとは異なる収縮サイズのレジンという仕様には残念な気分になりました。
両足と両膝が綺麗に台座に設置しなければ仕上がりが台無しになってしまうので、そこも苦労しました。

↓上半身、下半身をそれぞれ組み上げパーツの繋ぎ目を消してから、上半身と下半身を接着しています。
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下半身には変形防止のため、レジンキャストを流してあります。
グニャグニャに変形していた台座も形を整え、キャストを流して裏打ちしてあります。
台座は元々のソフビ成型時の形が歪んでいたのか、熱湯の熱では綺麗な形には戻らなかったので
レジンキャストを流した際の硬化時の熱を利用して強引に「見れる形」へと整えました。
ですので台座の裏打ち用のレジンも一気に大量に流すのではなく、台座の形の具合を見ながら少しづつ流しました。


このキットのパーツの繋ぎ目消しでメインに仕様したマテリアルです。
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『シアノン』とそれを瞬時に硬化させるための『アルテコスプレープライマー』
『タミヤパテ(ベーシックタイプ)』
ただ、何を使用すかは人それぞれ使いやすい物が違うでしょうし結果的に段差消し、気泡消しが
綺麗に行われていれば何でも良いのだと個人的には思っています。

ソフビキットですのでレジンキットに比べるとヤスリがけがやり難いですが、
全裸で頭~足先まで誤魔化しようがない状態なので、パーツの繋ぎ目は可能な限り消しておくべきでしょう。
このキットの場合は、そこで手抜きをして完成時に不自然に目立ってしまう事は避けたいです。
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↑この状態までもって行くのに苦労した分、全体像が見えた時の嬉しさも大きいです。
レジンパーツの足との繋がりも確認したかったので最終的には1200番のサーフェイサーを吹きました。
下地処理がそこまで面倒でないソフビキットなら、いつもはサーフェイサーは吹かずVカラーを吹いて本塗装に入ります。


塗装に行く前に。。。
話が脱線しますがインストの事に戻ります。
インストにはTom Gilliland氏によるペイントレシピが載っています。
氏はその昔、ロサンゼルスにあったホビーショップ「キットクラフト」の店主であり、ホライゾンがリリースしていた
キットのパッケージ用の塗装見本用完成品の製作も担当されていました。
今ではサイドショウの立場の偉い方です。
サイドショウのスタチューのデコマスのペイントも物によっては行われているようです。


では製作記事に戻ります。
サーフェイサーを吹いてある状態の上にVカラーを吹いています。色はライトブラウンにしましたが適当です。
少し暗めの色であれば何色でもよかったので。
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色ムラが多いですが、あくまで下地色なので問題ないです。そこまで厚ぼったくは塗りません。
Vカラーはここでのみ使用しました。
その後はラッカー塗料で塗装しています。

↓肌色、ピンク、マルーンを混ぜた色をエアブラシでムラ吹きします。
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この先からは特に地道な塗り作業になっていきます。
エアブラシの細吹きと筆塗りで全身に血管を描き入れます。筆塗りの血管はエナメル塗料を使用。
描く血管は1色では面白みに欠けるので3色ぐらいで構成しています。
エアブラシは最初~最後までノズル口径:0.3ミリのダブルアクションのエアブラシのみを使用しています。
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腕の内側、胸、腹等の入り込んだ箇所はエアブラシの細吹きはできないので必然的に筆塗りとなります。
血管はこの後、どんどんぼやけていく事になるので最初はうるさいぐらいに描き込みます。
人体解剖学的には正解ではない血管でしょうが、現実には実在しないクリーチャーの「模型としての落とし所・表現」
という自己満足な捉え方です。厳密にはリアルでなくてもそれっぽい見え方で良いのではないかとも思います。

白色に近い肌色で血管のような模様、クラックをエアブラシの細吹き、筆塗りで描き込みます。
この時の筆塗りはラッカー塗料を使用。
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その上に、白色に近い肌色をシンナーで相当薄め、エアブラシで薄く吹き重ねて全体を馴染ませます。
主張を強くし過ぎた血管を馴染ませるのですが、血管を消し過ぎた場合は再び描き直しです。
血管の描き込み→それを馴染ませる作業は行ったり来たりの繰り返し作業が多くなります。
文章にすると一瞬ですが、実際は結構な時間を要しました。
この辺りは特に効率が悪いやり方だと改めて感じました。

筋肉の凹凸の凹部分に蛍光ブルー、蛍光ピンクを薄く吹き、体全体にクリアーオレンジ+クリアーイエローを
かなり薄めてエアブラシで吹きます。
塗料とシンナーの比率が1:8ぐらいで薄めています。
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強く吹きつけると一気に色が変わってしまう工程なので、少しずつ薄く色を重ねるように注意します。
これらの薄吹きで最終的な肌の色を形成していきます。
ストレートに「肌色」を乗せるのではなく「肌になる色」を重ねていきます。

この先は、エナメル塗料を使っての筆塗りでも細かく肌に色を重ねていきます。
ブラウン+フラットフレッシュやクリアーブルー+クリアーレッドで調色したクリアーパープルを
専用にシンナーで、かなり薄めます。
文章でお伝えするのは難しいのですが、ウォッシングに近い感覚で上記の色を肌に塗り、それを筆や綿棒で
拭き取っていくのですが、肌に「染み込ませる」感覚を意識して完全には拭き取りません。
ランダムに肌にシミを作るイメージです。
全体のバランスも見ながらエアブラシで肌の色を吹き、シミやそれ以前の工程での血管を馴染ませていきます。
筆塗りによるシミの塗装とエアブラシ塗装でシミを馴染ませる工程は同時進行になる事も多いです。

肌部分は完成状態が近づいてきました。
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この状態から体の凹部分に蛍光ブルー+クリアーブルー、スモークグレーを重ねたり、
部分的にクリアーオレンジを塗っています。
塗料は濃度をかなり薄めたものを使用します。


仕上げ段階で個人的に重要視しているのが各部の艶の調整です。
上記の画像は艶の調整がまだまだ中途半端な状態です。
このキットの場合は体の凹凸に合わせて艶の強弱に変化を付けています。具体的に言うと凸部分よりも
凹部分の方がより艶有りの状態にしています。凸部分も艶が無い訳ではないです。
模型としての生物感をアップさせる事、より立体感を強調させる事が目的です。
造形の凹凸に合わせて艶の強弱の変化をつける事はクリーチャーの肌塗装に限ったことではなく、人間の肌、
髪、石や岩、場合によっては衣服の塗装にも応用できますし極端な話、単色に近い立体物でも各部の艶に変化を
与える事で造形の情報量が増して見える効果的な技法だと思われます。
必ずしも凹の部分の方が凸よりも艶を強調する訳ではなく、逆のパターンの表現をする事もあります。

細部の艶の加減に注意した完成品は、たとえ画像では微妙な差は伝わらなくても現物を見た場合は一目瞭然かと。


本体の主な肌塗装はこれで終了です。
頭部のツノ、口内も気持ち悪く見えるように塗り分けます。目に指を突き刺していますが
血はあえて付けませんでした。このキットの場合はその方が刺した瞬間のスピード感が演出できるかな?という
理由からですが人それぞれ好みがあると思います。


※画像はクリックすると大きくなります。

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台座の上面は最初にシルバー(ラッカー塗料)をエアブラシ塗装。次にエナメルブラックを上面全面に筆塗り。
完全乾燥後、凸部分のブラックをエナメルシンナーで拭き取り、シルバーを復活させます。
エナメルシンナーで拭き取ってシルバー地を復活させる時、凸部分の側面のブラックは完全には拭き取らず
残しておきます。
凹部分はシンナーで薄めたラッカーのゴールドをボカシながら筆塗りしています。
側面部分は色のバランスが難しく何度も塗り直し何とか落ち着きました。
全体が完成してみるとヴィジュアルのインパクト、刺激が強いキットだと改めて感じました。


キットが発売された当時の国内の模型誌のGKショップの広告を見返すと、何軒かのお店で輸入していたようです。
自分がこのキットの存在を知ったのは2001年の頃で、当時も海外ガレージキット製作を趣味としていましたが、
仮にその頃にこのキットを入手出来ていても年齢もまだ10代で技術的にもかなり乏しく、塗装以前に脚と足パーツ
の組み立ての箇所で挫折し中途半端な状態で押入れに入れられていたに違いありません(笑)


目潰し悪魔の塗装の経験を活かして塗ったのが、RESTOREさんのDEBRIS JAPANです。
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材質はソフビです。
目潰し悪魔とはサイズ、色が異なりますが同じような手順で塗装してあります。


目潰し悪魔の完成品は2011年・夏のワンフェスでエポキシパフェブースで展示していました。
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一般ブースでしたので股間は黒いプラ板を貼って見えないようにしていましたが・・・逆に目立ってしまう感が
否めません(苦笑)
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プロフィール

ガティワッツな腐乱犬

Author:ガティワッツな腐乱犬
「腐乱犬」という名義でフィギュアの
ペインター業をしております。
主に量産品フィギュアのペイントマスターを製作しております。

※お仕事で携わらせて頂いた完成品は版権等の関係であまりご紹介できませんが、一部のみ掲載しております。)

趣味として自分用に完成品も稀に仕上げています。
ワンフェスではオリジナル作品の原型を作ってディーラー参加してたりします。
ディーラー名「エポキシパフェ」

※営利目的での画像の無断転載、使用は一切禁止します。

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