Gecco×豆魚雷 ガッツ

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『BERSERK GUTS』
Gecco様×豆魚雷様から発売のベルセルク ガッツ 1/6スケールスタチュー ロスト・チルドレンの章 黒い剣士Ver.

こちらの商品のペイントマスター(商品の量産前の塗装見本品)の製作を担当させて頂きました。


待望のGecco×豆魚雷からのガッツ、僕自身もデコマス制作を担当させていただけると決まった時から
プレッシャーもありましたが楽しみな気持ちもかなりありました。

長くなりそうですが少しでも誤解がないように自分の言葉で述べさせていただきたい事もありますのでこのブログを
介して語らせてもらいます。


HEADLONG/赤尾慎也さんによる造形は原作版のガッツの顔の特徴を見事に捉えられていて耳の先端まで
正にガッツ!
三浦先生のベルセルクの作風はハード志向な世界観ではあると思うのですがガッツの顔に関しても完全に写実的な
描き方と言う訳ではなく、目、鼻、口、髪の生え際等、漫画キャラとしてのデフォルメ感も備えていますよね。
そこの2次元特有の特徴を立体造形物として落とし込み、尚且つ似せ具合も要求されるのでそれも踏まえて
トータルで纏め上げる造形力高度な技術とセンスが問われるでしょうし、相当難しいのだと思います。

赤尾さんの原型はガッツとして完全に出来上がっているのでその良さを無駄にしない塗装はどうすればいいか?と
言う事に悩む場面は多かったです。
特に肌色のトーンには。。。。
ベルセルクの世界観に対する色のイメージは原作連載時からのファンの人、テレビアニメ版や映画版を観て以降に
原作を読んだファンの人とでも違うのでは?と言う意見も聞きました。
それもあるかもしれませんし、とにかく人によってあの世界観のダークトーンに対するイメージって千差万別なのかと。
そうは言っても「何と無くのイメージ」だけでデコマスを塗り進める訳にはいきませんので打ち合わせの上で、
ガッツの肌色はコミックス23巻のカラーピンナップのような明度が高めであまりくすんだ印象は無い肌色という事に
決まりました。
※この絵の肌色を徹底的に再現すると言う事では無く、色の方向性としての話です。
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そして肌と髪の艶は完全な艶消し仕上げ。
今回のガッツは肌部分やその他の箇所も含めて「スタンダードな格好よさ&Gecco版ガッツと言うべき仕上がり!」が
コンセプトですので肌の汚し等もあえて排除しお客さんがイメージする絶対公約数としての仕上がりを大事にする事と
なりました。


ちょっと話が脱線気味な内容になります。。。
例えば、もっと汚しや血糊が多い仕上がりや皮膚の組織感を前面に押し出した塗装表現の仕上がりが
好みな方もいるかとは思います。
僕自身もワンオフモデルとしてのガレージキット完成品、作例ならそれらの表現を取り入れるのは全然有りだと
思いますし制作者さんの個性溢れる仕上がりになって面白いと思います。
ですが今回はデコマスですので「デコマスとしての役割を果たしてくれる完成品」であるのは必須条件ですし、あまりに
複雑な技法や一人よがり過ぎる仕上がり等で量産品に全く反映されないのでは不必要な結果になります。
(メーカーさんからそう言った量産化が困難な塗装技法を要求されれば、あえてそのような技法を行う事もあるでしょう。)
デコマスでやるべき事、やらない方がいい事ってあります。今更自分が偉そうに書く事ではないんですが。。。
そのバランスを上手く処理して仕上げるのが自分の立場のような人たちの役割ですけどね(苦笑)

具体的な技法の事を言えばガッツの肌色はほぼエアブラシ塗装のみでの仕上げです。
原型の時点で肌の各部には細かいテクスチャ表現が刻まれているのでその仕上げでも間延びしない筈です。
汚し塗装を排除した分、肌の各部の傷がアクセントとして引き立ってくれています。
明度を維持したまま肌の凹凸に合わせてシャドー色も加えてありますよ。
微妙な色の変化なので写真では伝わりづらい箇所です。かと言って極端なシャドー色を吹いてしまうと一気に
説明臭くなり過ぎて造形の良さを台無しにしかねません。
「現物を肉眼で見た時のちょうどいい按排」、それが理想的な仕上がりなのです。
自分の憶測ですが公式画像では肌のテクスチャ表現を伝えようとして顔や肌に照明を当てた為、逆にシャドー色が
画像では飛んでしまい見えなくなっているのかもしれません。

デコマスに使用されたレジンキャストが白地ではなくくすんだ色が付いた成型色のレジンでしたのでそこに
明るい肌色を発色させるためにある程度塗り重ねて、完全艶消し仕上げですので艶消しトップコートを
結構吹いたので塗装膜が厚くなっててしまっている印象です。
そこは完全に僕の技術が至らず、勉強不足が原因の箇所なので申し訳ないです。
もっと技量のある方ならレジン地が何色であろうが必要最低限の塗装膜でもっと自然な仕上げ方が可能でしょう。
もし塗り肌加減が気になってしまって予約を躊躇されている方がいるとしたら、そこは製品版ではPVC特有の材質感を
活かした仕上がりになるとの事ですので問題ないかと思います。
価格的な事で予約購入を迷っている方もいると思われますが、そこに関してはGeccoさんは「高額商品ではありますが
買っていただいたお客さんには満足していただける製品にします!後悔させません!」と仰っていたので、予約を
迷っている方々は是非!
僕も製品版の発売が今から楽しみなんです(笑)


肌やその他の箇所も含めて微妙なダークトーンの色調に仕上がったので撮影された方々も苦労されたかと思います。
多くの方に実際に現物を見て判断していただければそれがベストなのですが多くの方々は画像でしか判断できないのは
仕方のない事です。
少しでも現物の造形と塗装の良い部分を伝えられればなぁ。。。という思いは携わった方々はみなさん同じな筈です。


仕様:塗装済みスタチュー
素材:ABS/PVC
サイズ:1/6スケール(全高約38cm ※ドラゴンころし含む)
発売予定:2015年9月
参考価格(税込):¥39,800
原型制作:HEADLONG/赤尾慎也
デジタル原型:赤尾雅紀
ペイントマスター制作:腐乱犬/土肥典文
企画・制作・発売: 株式会社Gecco
企画/制作協力・販売: 株式会社豆魚雷
コピーライト表記:(C)三浦建太郎(スタジオ我画)/白泉社


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豆魚雷さんのブログから画像をお借りしました↓

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でじたみんさんのブログからも画像をお借りしました↓

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※商品の詳細はこちら


ガッツ・スタチューのデコマス、3月いっぱいまで豆魚雷・高円寺店にて展示中!との事です。
足を運べる方々は是非、現物のサイズ感や造形の情報量も体感してみて下さい。


普段は仕事の事でここまで長く書いていませんが今回はデコマス担当の自分が述べさせてもらった方が説得力が
ある部分もあるかと思い意見させていただきました。
言い訳な所もありましたが(汗)
決してメーカーさん側や撮影された方を敵視している訳ではございません。
今でこそこうやって振りかえってあれこれ書いていますが実際制作期間中は自分の作業スピードと期間を照らし合わせると超シビアでしたので(絶対にずらせない〆切がありました)、考えるよりも手を動かせ!というような状況でした。
ですが逆に、そんな必死さだからこそ仕上がった面もあるかもしれません。


3月24日に公式画像の公開と共に受注開始となり、評判がいろいろある様子で、このガッツはお客さんだけでなく、
フィギュア・ホビー業界の原型師さんやペインターさんからの注目度も高かったようで、
写真での写り方、見え方を気にされている方や「そういう事ってよくあるので分かるよ!」と声を掛けて下さる方も
いて。。。
正直、24日からはガッツの事でいろいろな思いが頭を駆け巡っていましたのでメンタル面でもそう言ったお気遣いに
救われました。
ありがとうございます!

あと、遅くなりましたが先日の豆魚雷さんのニコ生を御覧いただいた方々、どうもありがとうございました!

今後もGeccoさん、豆魚雷さんを介しての制作秘話の座談会?も行われるそうですので興味のある方は
そちらもお待ちいただければ、と。

フィギュア王No.206、月刊ホビージャパン2015年5月号でもガッツが特集されていますよ。
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プロフィール

ガティワッツな腐乱犬

Author:ガティワッツな腐乱犬
「腐乱犬」という名義でフィギュアの
ペインター業をしております。
主に量産品フィギュアのペイントマスターを製作しております。

※お仕事で携わらせて頂いた完成品は版権等の関係であまりご紹介できませんが、一部のみ掲載しております。)

趣味として自分用に完成品も稀に仕上げています。
ワンフェスではオリジナル作品の原型を作ってディーラー参加してたりします。
ディーラー名「エポキシパフェ」

※営利目的での画像の無断転載、使用は一切禁止します。

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